水夏 ~SUIKA~ 名無し
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稲葉宏は父親の葬儀のために一年ぶりに帰郷していた。宏が気がかりだったのは、重い心臓の病気で寝たきりになっている妹のちとせが、手術をしなければならないことだった。宏は、神社で黒い服を着た奇妙な女の娘と出会っていた。お嬢と呼ばれるその娘は、この村に忘れ物を見つけるためにやってきたのだという。宏は次第にお嬢に心惹かれてゆく。だが、宏には気になることがあった。時折お嬢は仕事があると言って姿を消すのだが、その時どういうわけか人や動物が死ぬという不吉な出来事が重なるのである。それは単なる偶然なのか…、それとも…。